頂き物の奥にある物 |
家庭菜園をやっていると、同じ様な趣味の方との交流が広がっていきます。その中で最近ちょっと感じている事を書いてみます。
貴重なピーナッツ
ある日友人宅に遊びに行ったら、口が寂しかろう ということで つまみにピーナッツが出されました。畑で作ったピーナッツは、買った物に比べて格段においしいものです。炒った大粒のピーナッツを
つまんで おいしかねーと言ったら、今年は作っとるね と言うので いいや と言うと、持って帰らんね と ガサッと袋に入れてくれました。
有難く頂戴して帰りましたましたが、実際に自分で栽培したことがあるから分かるのですが、ピーナッツは土の中の虫に喰われ易くなかなか綺麗で大きい物が出来ないのです。現実には収穫の30%くらいしかマトモナ物は採れず、残りは小さく未熟だったり虫が食っていたり・・・。
袋に入れてくれた量の物を作るには、その3倍の量の収穫が要り、その為にはどれくらいの広さの土地と栽培期間と手間がかかるか想像がつきます。
無造作に袋に入れてくれたピーナッツを見ると、友人の友情の深さみたいな物を感じ、ほんとに有難い事だと思います。
手間のかかる金ゴマ
これも持ってかえらんね と 奥さんが金ゴマを瓶に入れてくれました。金ゴマは、普通のゴマに比べて物凄く香りが強く風味があるのです。聞くところによると、収穫したら、砂とかゴミが混ざっているので、それを丹念に取り除くのだとか。
机の上に新聞紙を広げ、あの小さなゴマ粒を、一粒一粒 爪楊枝の先で ゴマとゴミとを寄り分けていくのだそうで、気が狂おうごたる と奥さんは笑って言われてましたが、その瓶に入ったゴマを見るにつけ、その
ぼう然とする程の手間と時間が思い浮かび、有難くてとても無造作には食べれません。
頂き物の奥にあるもの
その頂き物の奥にある「友情」とか「気持ち」とか そういう物をつい見過ごしてしまいそうだけど、しっかり受け止めて大切にしたいものだと思います。
持参の手土産
先日も、気候も良くなったし山小屋で昼飯でも食べようか と別の友人夫妻に声をかけたら、手土産に 自分で作った甘酒とか、ミキサーで作った豆乳とか それを入れたという手作りパン等など
珍しい物を沢山持ってきてくれました。どれもひと手間もふた手間もかかっているのが良く分かります。
手間ひまかけながら作業をしている奥さんの姿を想像すると、これまた その有難さに心が動きます。ありがたいことです。
ご主人から家で作った野菜やけど と、手渡された野菜。昔の自分だったら どうもどうも と余り考えず受け取っていましたが、自分で菜園作りをやってみると 手間ひまかけて そこまで育てていった過程がわかり、収穫して綺麗に水洗いをし 枯れた下葉を取って身繕いをさせるというバカにならない手間が良く分かります。
人の好意のありがたさ
手ずくりの物に限らず、店で手に入れた物であっても、その品定めをする時は、その人の心の中は送る相手の人の事で頭は満たされていると考えれば、それも同様に限りなく有難いことです。
人の好意で頂き物をする時、その奥にあるものを おもんばかる気持ちがより強くなり、より深い幸せ感を感じる事が出来るようになったのも 家庭菜園のお陰かな と感謝しています。
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